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TAXニュース5月号

赤字法人割合は7年連続減少の63.5%に

赤字法人割合は7年連続減少の63.5%に 所得金額は59兆4612億円で過去最大!

国税庁が3月30日に公表した「平成28年度分会社標本調査」結果によると、同年度分の法人数は267万2033社で、
前年度より1.1%増と4年連続で増加しました。

このうち、連結親法人は1645社で同3.9%増、連結子法人は1万1908社で同4.3%増。連結子法人を除いた266万
125社のうち、赤字法人は168万9427社で、赤字法人割合は前年度比0.8ポイント減の63.5%となり7年連続で減少
しましたが、高水準であることに変わりありません。

平成28年度分の営業収入金額は、前年度に比べ0.1%増の1450兆8100億円と増加に転じました。黒字法人の営業
収入金額は同2.3%増の1144兆4408億円と増加に転じ、所得金額は同3.9%増の59兆4612億円で過去最大となり、
7年連続の増加。営業収入に対する所得金額の割合(所得率)は、前年から0.1ポイント上昇の5.2%となりました。
黒字法人について、業種別の所得率をみると、「鉱業」(11.1%)、「不動産業」(10.4%)などが高いです。

法人税額は10兆4676億円で、前年度より▲0.3%減少し、7年ぶりに減少に転じました。また、所得税額控除は3兆
1733億円で、同▲18.2%減と7年ぶりの減少、外国税額控除は5104億円で、同▲7.0%減と2年連続で減少しました。
繰越欠損金の当期控除額は7兆5951億円で、同▲7.4%減と3年連続の減少、翌期繰越額は68兆4167億円で、同4.7%
増となり、2年連続の増加となりましたが、低水準が続いています。

一方、平成29年3月までの1年間に全国の企業が取引先の接待などに使った交際費は、前年度に比べ4.1%増の
3兆6270億円と5年連続で増加しましたが、過去最高だった平成4年分の6兆2078億円に比べほぼ半減しています。
このうち、税法上損金に算入されなかった金額(損金不算入額)は同5.7%増の9578億円と2年連続の増加となり、
損金不算入割合は同0.4ポイント増加の26.4%となりましたが、3年連続で20%台の低い水準でした。

☆☆業種別の赤字法人割合☆☆

 業種別の赤字法人割合は、「出版印刷業」(75.8%)が最も高く、次いで、「繊維工業」(74.5%)、
「料理飲食旅館業」(73.8%)、「小売業」(71.1%)、「食料品製造業」(70.9%)と続き、これらの
業種は赤字法人割合が7割を超えました。他方、低い順にみると、「運輸通信公益事業」(57.5%)、
「建設業」(57.6%)、「不動産業」(60.1%)などとなっています。なお、連結法人の赤字法人割合は
36.7%とかなり低い数字です。