確定申告書の控えが必要になる場面は、事業資金の借入や住宅ローン、自動車ローンを利用したいときや、保育所の入園申請手続き、奨学金の申請などが挙げられます。収入や所得の状況を証明するために、確定申告書の控えの提出を求められるケースは少なくありません。サラリーマンは、会社が発行する源泉徴収票が所得を証明するものとして一般的ですが、自営業にとっては、所得を証明する書類としては確定申告書が一般的です。
そこで、確定申告書の控えを紛失してしまった場合は、税務署で確定申告書の控えを再発行してもらうことになります。過去に提出した確定申告書の情報を知るには、「開示請求」や「閲覧請求」という手続きがあります。確定申告書の控えを再発行してもらうには、「開示請求」の手続きを行います。手続き方法は窓口と郵送の2通りあります。また、「申告書等閲覧サービス」を利用すれば、過去に提出した申告書などを税務署で閲覧することができます。
窓口で開示請求の手続きを行う場合は、(1)保有個人情報開示請求書、(2)本人確認書類(運転免許証、健康保険等の被保険者証、個人番号カード、住民基本台帳カード等)、(3)1件につき300円の収入印紙又は現金、を税務署の窓口に提出又は提示します。郵送で手続きを行う場合は、(1)~(3)((2)は写し)のほかに、住民票の写しや返信用切手が必要となります。
開示請求は時間がかかりますが、過去の確定申告書の内容を確認するだけなら、「申告書等閲覧サービス」を利用すれば、当日その場で申告書を閲覧することができます。その手続きは、ア.申請書等閲覧申請書、イ.本人確認書類を、税務署の窓口に提出又は提示します。ちなみに、代理人が閲覧を申請する場合は、ア.とイ.のほかに開示請求と同様の書類(委任状、代理人の本人確認書類、印鑑登録証明書)が必要となります。
☆☆開示請求☆☆
閲覧請求は見ることのほか、閲覧時にメモを取ることができます。2019年9月1日からは、デジカメやスマホなど、撮った写真をその場で確認することができる機器での写真撮影(動画撮影は不可)が可能になりました。ただし、収受日付印、氏名、住所等は隠して撮影すること、撮影した写真は税務署員の確認を受けること、撮影した写真は内容確認以外で利用しないこと、など条件があるので注意が必要です。