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TAXニュース1月号

米国トランプ減税政策と日本の税制改正

米国トランプ減税政策と日本の税制改正

昨年末、米国は大規模な減税となる税制改正を可決しました。

今回実現するのは「法人税の減税」「海外子会社の配当課税の廃止」「所得税の減税」の他に「遺産税の廃止」となるそうです。

連邦法人税率が35%→21%、個人所得税が39.6%→37%と、この減税による経済規模は10年で1.5兆ドル(約170兆円)の見通しで、この狙いは「米国景気拡大を失速させないこと」と「世界から米国に富を還流させること」で、財政規律をかなぐり捨てた博打的政策とも言えますが、2018年も引続き米国が世界経済を引っ張る存在になることは間違いないかと思います。

一方で、日本の税制改正に目を向けると、これまでの富裕層をターゲットとした相続税強化に続き、新たに年収850万円超の高所得者の所得税増税という政策を打ち出しました。

サラリーマンは「源泉徴収制度」によって100%漏れなく徴税されている上に、所得税収の約8割を負担してる現状を鑑みると、今回の改正は多くのサラリーマンが税金に無関心なことをよいことに「取りやすいところから取る」政策と思わざるをえません。

高齢化で社会保障費が増大していく日本が税収を増やさなくてはならないことについては多くの国民が理解してますが、あまりに行き過ぎてしまうと、近い将来、日本から高所得者や富裕層がいなくなってしまうのではないかと個人的には危惧します。

課税の大原則は「中立」「公平」「簡素」です。若い人が頑張って努力して働いて、その結果、所得が増えたことを受け入れる日本となることで日本の活力が増す税制改正を今後期待します。