TAXニュース

TAXニュース7月号

新型コロナウイルス騒動で注目される!

事業者が従業員に支給する見舞金の取扱い

 

新型コロナウイルス感染拡大の最中に、緊急事態宣言下でも事業継続を求められた医療機関や

日常の食料品・日用品等を販売する事業もあり、感染リスクの中で働かざるを得ない従業員等に

対して事業者が見舞金を支給するケースは少なくありません。

そこで国税庁は、新型コロナウイルス感染症に関連して、従業員等が事業者から支給を受ける

見舞金について、所得税法の規定により非課税所得とされる見舞金に該当するものの範囲を明ら

かにしています。

それによると、非課税所得に該当する見舞金は、(1)その見舞金が心身又は資産に加えられた

損害につき支払を受けるものであること、(2)その見舞金の支給額が社会通念上相当であること、

(3)その見舞金が役務の対価たる性質を有していないこと、の3つの条件を満たす場合としてい

ます。ただし、緊急事態宣言が解除されてから相当期間を経過して支給決定がされたものは、

非課税所得とされる見舞金に該当しない場合があります。

上記(1)の「心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるもの」とは、例えば、従業員

等又はこれらの親族が新型コロナに感染したため支払を受けるものや、緊急事態宣言の下にお

いて事業の継続を求められる事業者の従業員等で、多数の者との接触を余儀なくされる業務

など新型コロナに感染する可能性が高い業務の従事者、緊急事態宣言前と比べて、相当程度

心身に負担がかかっていると認められる者が支払を受けるものが該当します。

上記(2)の「社会通念上相当」であるかどうかについては、A.その見舞金の支給額が、従業

員等ごとに新型コロナウイルス感染症に感染する可能性の程度や感染の事実に応じた金額と

なっており、そのことが使用者の慶弔規程等において明らかにされているかどうか、

B.その見舞金の支給額が、A.の慶弔規程等や過去の取扱いに照らして相当と認められる

ものであるかどうか、を勘案して判断します。

 

☆☆非課税ではない見舞金☆☆

上記(3)の「役務の対価たる性質を有していない」ものではなく非課税に該当しない見舞金として、

A.本来受けるべき給与等の額を減額した上で、それに相当する額を支給、B.感染の可能性の

程度等にかかわらず使用人等に一律に支給、C.感染の可能性の程度等が同じと認められる従業

員等のうち特定の者にのみ支給、D.支給額が通常の給与等の額の多寡に応じて決定されるもの、

などを例示して注意を促しています。