「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律案」が
4月30日、国会で成立し、同日施行されました。新型コロナウイルス感染症のわが国社会経済に与える
影響が甚大なものであることに鑑み、感染症及びその蔓延防止のための措置の影響により厳しい状況に
置かれている納税者に対し、緊急に必要な税制上の措置を講ずることとしています。
同臨時特例法の主な内容は、まず、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年2月以降の収入に
相当の減少があり、税金の納付が困難な事業者等に対し、無担保かつ延滞税なしで1年間納税を猶予
する特例を設けます。
次に、資本金1億円超10億円以下の法人の2020年2月1日から2022年1月31日までの間に終了する各
事業年度において生じた欠損金額について、欠損金の繰戻しによる還付制度の適用を可能とします。
また、政府の自粛要請を踏まえて、文化芸術・スポーツに係る一定のイベント等を中止等した主催者
に対して、観客等が入場料等の払戻請求権を放棄した場合、その放棄した金額(上限20万円)について
寄附金控除を適用します。
さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年12月31日までに居住の用に供することができな
かった場合等も、期限内に居住の用に供したものと同様の住宅ローン控除が受けられるよう適用要件
を弾力化します。
そのほか、消費税の課税事業者選択届出書等の提出に係る特例として、新型コロナウイルス感染症の
影響により2020年2月以降の収入が著しく減少した事業者に係る消費税の課税選択について、課税
期間開始後における変更を可能とします。また、新型コロナウイルス感染症によりその経営に影響を
受けた事業者に対して、公的金融機関や民間金融機関等が行う特別貸付けに係る契約書について、
印紙税を非課税とします。
☆☆地方税関係☆☆
地方税関係でも徴収の猶予制度の特例が手当てされます。同特例では、新型コロナ感染拡大の
影響で多くの事業者の収入が急減しているという状況を踏まえ、収入が大幅に減少(前年同期比
概ね20%以上の減少)した場合において、無担保かつ延滞金は免除で1年間、地方税が徴収猶予
されます。その他、固定資産税等の軽減措置があり、中小事業者等が所有する償却資産及び事業
用家屋に係る固定資産税等が軽減されます。